この記事を読めば、札幌の風が強い理由がわかります。
札幌、風が強すぎると思いませんか?移住してきてからずっと感じていたのですが、あまりに強い。関西と全然違います。
僕は普通の傘を一切使わず、ずっと折り畳み傘を使っているのですが、風が強すぎたせいでついにお気に入りの傘が壊れました。ゆるさん。
というわけで、「札幌は風が強い」という事実について調査したうえで、強風への対処法を考えました。
札幌について興味のある方は、ぜひ移住体験記もどうぞ。
札幌の風が強い理由を調査した
札幌の風が強い理由を考えたときに、まっさきに思いついたのは「町全体が碁盤の目の作りになっていて、風の通り道が広すぎるから?」ということ。あと、イメージでは北の方から強い風がビュンビュン吹いてきそうなきがします。でも実際どうなのか見当もつきません。
というわけでいろいろと調査しました。手順はこう。
- 「強風」の定義を明確にする
- 札幌の「強風」だった日数を調べ、他の都市と比較し、「札幌は風が強い」ことを客観的データにおいて示す
- 札幌の風が強い理由を考察する
こんな順序でいきましょう。
まずは「強風」の定義をはっきりさせたい
まずは「強風って具体的にどんなもん?」ということを調べました。気象庁の出番です。
- 強風注意報
- 暴風警報
明確な基準はこのあたりでしょう。実はこれ、地域によって基準が違うの知ってましたか?まずは主要な都市の、強風注意報と暴風警報の出る基準を調べてみました。
平均風速基準 (陸上) |
札幌 | 東京 | 大阪 | 福岡 |
強風注意報 | 13m/s | 13m/s | 12m/s | 12m/s |
暴風警報 | 18m/s | 25m/s | 20m/s | 20m/s |
結果、「強風」の基準は都市間でそれほど変わらず。しかし暴風警報の基準は都市によって様々。札幌の「暴風」の基準値が低いことを見るに、「風を強く感じやすい」あるいは「風に弱い」とジャッジされているということでしょうか。
ここから考えられることとして、札幌の風が強い理由に「建物がすくなくて風どおりが良いこと」が挙がりそうに思います。
札幌で「強風」を記録した日数を、他の都市と比較した
1年間のうち、「強風」にあたる日の日数を調べました。東京、大阪、福岡と比較してみます。今回は、最大瞬間風速が「強風注意報の基準以上」をマークした日をカウントしました。
(※気象庁の「過去の気象データ」からデータを拾ってきて表計算しています。)
強風基準をマークした日数 | 札幌(13m/s) | 東京(13m/s) | 大阪(12m/s) | 福岡(12m/s) |
2019年 | 159日 | 73日 | 31日 | 65日 |
2018年 | 150日 | 71日 | 38日 | 69日 |
2017年 | 145日 | 74日 | 31日 | 75日 |
2016年 | 161日 | 71日 | 27日 | 70日 |
2015年 | 160日 | 73日 | 36日 | 66日 |
はんぱなくない?
本当に同じ日本か?と疑問に思うような結果が出ました。あくまで瞬間最大風速ではありますが、札幌は毎年、1年の半分近い日に「強風」の基準をクリアしています。東京の倍以上。大阪と比べると5倍以上の日が「強風」です。
というか大阪、風よわいですね。僕は大阪の隣の兵庫県出身ですが、そりゃ札幌にきたら風強いと感じるはずです。
というわけで、とにかく「札幌はやけに風がつよい」という事実が、僕の肌感覚ではなく客観的データで示されたわけです。
札幌の風が強い理由は?
札幌の最多風向は次の通り。
12月~4月 北西
5月~9月 南東
10月~11月 南南東
ザックリいえば冬季は北西で夏季は南東~南南東である。これは東アジアのモンスーン(季節風)のためであるが、石狩平野から苫小牧の勇払平野に向かって地形は北西~南東に向かう。季節風の風向と地形の走向がほぼ完全に一致
一番確からしい情報は、気象予報士の方のサイトで見つかりました。札幌は、どうやら季節風の通り道になっているようです。
あと、ぜったい道の広さと真っすぐさがそれを加速させてるはずです。遮蔽物がなさすぎて、風、まさに全速力。駅から家までの道のりでホワイトアウトみたいになるとか、どう考えても普通じゃありません。
そもそも地理的に季節風が通りやすい道であることと、碁盤の目状の街であることが原因と結論付けて良いでしょう。
札幌の強風への対策を考えた
札幌の風が強いことが示せて、その理由もわかりました。ぼくのぶっ壊れた折り畳み傘も、少しは浮かばれるかもしれません。
しかしそうなると、なにか対策を考えるべきではないでしょうか。札幌の強風への対処法をいくつか考えてみました。(アホみたいなことしか思いつきませんでした…。)
札幌中心地では、地下を歩く
まず基本として、札幌の中心地では地下街を歩くべきですね。風なんて入ってきません。
(ていうか地下鉄と地上をつなぐ階段、風つよすぎて危なくないですか?)
特に冬は積極的に地下を活用していきたいところ。札幌に移住してきたはじめの頃は、地下街のどこがどこに繋がっているのかワケわかりませんでしたが、だいぶ慣れてきました。
建物のすぐ側を歩く
しかし過ごすのは中心地だけではありません。風の強い理由に「風どおりが良い」ことが挙げられるので、基本的に道の端、建物のすぐ側を歩くよう心がければ強風を免れられるのではないか?と考えました。特に傘を差している日は実践していきたいと思います。
十字路は足早に通り過ぎる
十字路が一番やっかいです。吹雪の日はそもそも傘なんて差さないので良いのですが、雨が降って傘さしてるときに風の強い十字路に差し掛かると、冗談ぬきで吹っ飛びそうになります。
というわけで、十字路を渡るときは意を決して足早に通り過ぎるのが、強風をやり過ごすひとつのコツではないでしょうか。気を付けていきたいと思います。
そもそも風に強い傘を用意する
風の強い札幌暮らしにピッタリの傘、見つけました。
なんと「風速31m/s」にも耐えたという公式テスト結果が発表されている折り畳み傘。台風の中でも余裕です。これがあればもう、傘がひっくり返って悲しい思いをすることもないはず。
さっそく注文しました。
札幌の強風は、地理と街並みが原因だった。
というわけで札幌の強風の原因は、地理と街の作り方だった、というお話でした。しかし1年の半分ほどの日の最大瞬間風速が「強風」基準をマークしているというのは、さすがに驚き。みなさんもお気を付けください。
でもそんな札幌、とても良いところです。