北海道弁といえばどんな方言を思い浮かべますか?
「なまら」とか、「しばれる」とか、いろいろありますよね。
以前には「そだねー」が脚光をあびた時期もありました。
さて、郷に入っては郷に従えという言葉もある通り、札幌移住民の僕としては「北海道弁」をマスターしなければなりません。
というわけで、札幌生活で実際に見聞きしている北海道弁に加え、Twitterでたくさんの道産子の方から教わった北海道弁を整理してまとめました。
この記事を読めば、あなたも北海道弁マスター!のはず。
北海道弁とは?
北海道弁とは、北海道内で使われる方言です。
実はこの北海道弁、大きく2種類に分かれることはご存じでしょうか。
「浜言葉」と、「内陸弁」です。
道内で主に使われる言葉は、「内陸弁」に分類される北海道弁です。比較的標準語に近い言葉ですので、普通に話す分にはあまり違和感ありません。
しかし、「浜言葉」は結構すごいです。
浜言葉は、その名の通り北海道の沿岸部(漁村)で話される言葉で、「正直何言ってるかわからない」状態に陥る場合もあります。
さらに、同じ沿岸部でも地域によって訛り方が違ってきます。なぜなら…
例えば上の画像の青と水色と赤の地域。行き来するのに車で片道7時間くらい掛かります。
これらの各沿岸部で話される方言を全部ひっくるめて「浜言葉」と呼ぶのですが…。
なんとなくお察しの通り、それぞれ独自の進化を遂げていて、地域ごとにも訛り方が違い、何言ってるかわかりません。
というわけで、浜言葉は何言ってるかわからず、整理すらつきません。この記事ではベーシックな北海道弁である「内陸弁」について解説していきます。
ちなみに札幌弁とは、内陸弁のこと。
札幌で話される北海道弁は、「内陸弁」のことです。
めちゃくちゃ訛っててホントに何言ってるかわからない…みたいな人と出会ったことはありませんので、基本的には旅行にきても、移住してきても安心です。
使うとしても、「めんこい」とか「つっぺ」とか、かわいらしい言葉ばかりですね。
よく使われる北海道弁18選
北海道の方言のイメージと言えばコレ、といった言葉を解説します。札幌で過ごしていて耳にする頻度を、独自の基準でランク付けしました。
今回解説する言葉は、以下の通りです。
方言 | 意味 | 聞く頻度 |
そだねー | そうだね | ★★☆☆☆ |
なまら | すごく | ★★★★☆ |
したっけ | それじゃあ | ★★★★☆ |
めんこい | かわいい | ★★★☆☆ |
うるかす | 水に浸す | ★★★★☆ |
しばれる | 寒い | ★★☆☆☆ |
なげる | 捨てる | ★★★★★ |
おささる | 不可抗力で押す事になる | ★★★★★ |
ぼっこ | 棒 | ★★☆☆☆ |
つっぺ | 詰め物 | ★★★☆☆ |
あずましくない | 居心地がよくない | ★★★★★ |
ばくりっこする | 交換する | ★★☆☆☆ |
なんも | 問題ない | ★★★☆☆ |
しゃっこい | つめたい | ★★★☆☆ |
サビオ | ばんそうこう | ★★★★☆ |
わや | やば!すご! | ★★★★★ |
いずい | むずがゆい | ★★★☆☆ |
~しょ、~だべ | ~でしょう | ★★★★★ |
一つずつ解説していきます。
北海道弁1.「そだねー」聞く頻度★★☆☆☆
冬季オリンピックのカーリングで一躍有名になった「そだねー」です。
意味は「そうだね」です。関西弁で言うと「せやな」あるいは「そうやな」です。
A「今日の仕事も疲れたね」
B「そだねー」
これ、札幌では正直ぜんぜん聞きません。
「そだねー」と可愛くいってる女の子と出会う事を期待して札幌に移住してきたら絶望するかもしれません。
北海道弁2.「なまら」聞く頻度★★★★☆
こちらも有名でしょう。「なまら」
標準語で言えば「すごく」関西弁で言うと「めっちゃ」あるいは「ごっつい」です。
A「なまら疲れたべ」
B「そだねー」
「なまら」は比較的よく聞きます。気を抜いたときに出る印象で、割とかわいらしい方言です。男女問わず使います。
あと「あまりお行儀の良くない言葉」のニュアンスが含まれているようですので、目上の人と喋るときは、あえて使わない方が良いかも?(#知らずにむしろ使っていました)
※上位系で「なんま」「なんまら」も存在します。北海道弁は奥が深い。
北海道弁3.「したっけ」聞く頻度★★★★☆
あまり有名ではないかもしれませんが、「したっけ」もよく聞きます。
標準語で言えば「それじゃあ」や「それならば」関西弁では「ほな」
A「したっけ、これはどう?」
B「いいね!」
こんな感じです。会話の流れで自然に出てくる言葉ですので、聞いていてもあまり違和感を感じないと思います。
北海道弁4.「めんこい」聞く頻度★★★☆☆
これは有名でしょう。でも、実生活ではそんなに聞きません。
標準語で言えば「かわいい」関西弁でも「かわいい」
A「自分つっこみクマ、なまらめんこくない?」
B「そだねー」
こんな感じです。
綺麗な女の子に対して使うよりも、かわいいキャラクター、小さい子供、童顔の女子などに使う方が自然なように感じます。
北海道弁5.「うるかす」聞く頻度★★★★☆
なんとなく言葉の響きから判別できそうな「うるかす」
標準語でいえば「水にひたす」関西弁で言えば「水につけとく」です。
A「食器うるかしといて」
B「わかった」
北海道に住む場合、大抵はご飯を食べた後に奥さんや彼女から言われる事になる言葉です。「食べた後はちゃんとうるかす!」と。
北海道弁6.「しばれる」聞く頻度★★☆☆☆
こちらも有名な言葉「しばれる」
標準語では「さむい」関西弁では「めっちゃさむい」
でも、これはほぼ聞かないと思います。
A「今日しばれるねー」
B「そだねー」
かなり年配の方なら使うかもしれませんが、働いている世代の方々だと、なかなか言わないはず。
道民に「今日なまらしばれる」って言ってみたら「それは言わない」と怒られました。
北海道弁7.「なげる」聞く頻度★★★★★
これはあまり有名ではないと思いますが、非常によく聞きます。
標準語では「捨てる」関西弁では「ほかす」
A「ゴミなげといて」
B「わかった」
皆あまりに自然に使う上に、なんとなく文脈から意味が分かるので、気が付くまで方言なのかどうかすらわかりませんでした。
おそらく、純粋な道民の中にはこれが方言だと気づいていない人もいるはず。(偏見)
北海道弁8.「おささる」聞く頻度★★★★★
これもそんなに有名ではないと思うのですが、かなり耳にします。
標準語だと「私のせいじゃないけど押すことになった」関西弁だと「勝手におされた」
A「ボタンおささっちゃった」
B「気を付けてね」
「自分の意志ではなく、押すことになってしまった」という意味です。
テレビのリモコンをお尻で踏んづけて「チャンネルおささった」とか、そういったケースで使います。
これが自然に出るようになれば、かなり道民レベルが高いような気がします。(偏見)
※類似語「出ささる」などもある
「方言が出ささる」=方言が勝手に出ちゃう!
「このペン書かさんない」=このペン、(インクがでなくて)書けない!
こんな風に使われることも。北海道弁、奥が深いです。
北海道弁9.「ぼっこ」聞く頻度★★☆☆☆
大人の社会ではあまり聞くことがないであろう言葉「ぼっこ」
標準語だと「棒」関西弁でも「棒」です
A「ぼっこ拾った」
B「なげれ」
子どもが木の棒を拾ってきたシチュエーションとかで使うのでしょうか。
正直あまり耳にしません。大人になると、ぼっこの話はしなくなります。そう考えると、なんだか寂しい気持ちになります。
北海道弁10.「つっぺ」聞く頻度★★★☆☆
あまり聞かないというか、聞くシチュエーションに出会わない「つっぺ」
標準語では「詰め物」関西弁では「つめもん」
A「鼻血出てきた」
B「つっぺしな」
こんな感じで、鼻にティッシュを詰めるときなどに使います。
もしかすると自然に出る言葉かもしれませんが、使うシチュエーションが限られます。
どうしても聞きたい方は、誰かの前で鼻血を出してみて下さい。
北海道弁11.「あずましくない」聞く頻度★★★★★
これも有名なはずの「あずましくない」です。
標準語では「いごこちがわるい」関西弁では「なんかきもい」
A「この椅子あずましくない」
B「文句いうな」
こんな感じです。ちょっとムズムズするとか、すっきりしないとか、そういったニュアンスも含みます。
反対語として「あずましい」を使うケースもあるようですが、私の周りでは「あずましい」は一般的ではないようで、ほぼ使いません。地域によるのかもしれません。
最初の頃調子乗って「あずましい」って使ってたら「それは言わない」と怒られました。
北海道弁12.「ばくりっこする」聞く頻度★★☆☆☆
これも有名ではないはずの「ばくりっこする」
標準語では「交換する」関西弁でも「交換する」
A「そっちのケーキも美味しそう」
B「ばくりっこすんべ」
交換するという意味で、たまーに使う人がいますが、基本的には使いません。
多分、言葉のニュアンス的に「大人になって使うのはちょっと恥ずかしい」と思われている節がある言葉です。
レストランに言って「その肉とハンバーグちょっとばくりっこすんべ」とか言うのはちょっと控えたいですね。(使ってる人いたらごめんなさい)
※常用語として「ばくる」が使われるようです。
ばくりっこという面倒な言い方はしないで「悪り〜来週の休みばくって?」みたいに使ってます(≧▽≦)
— ♡ホルスタイン♡しぼろう┏┳甘モー♡ (@houbokutaro) April 7, 2020
勉強になる!
北海道弁13.「なんも」聞く頻度★★★★☆
あまり有名ではないですが、わりと聞きます。「なんも」
標準語では「全然いいよ」関西弁では「そんなんええよ」です。
A「遅れてごめん!」
B「なんもなんもー」
こんな感じです。「なんもー」という事もあれば、「なんもなんも」と繰り返す事もあります。文法的にはどちらも正しく、どちらも「全然大丈夫だ、気にするな」という心の広さを表す言葉です。
北海道弁14.「しゃっこい」聞く頻度★★★☆☆
これもそんなに有名ではないのですが、割と定期的に聞く言葉です。
標準語では「つめたい」関西弁では「つめたっ」です
A「プールの水しゃっこい!」
B「気持ちいいべー」
こんな感じです。
食べ物とかではなく、水とか氷とかを不意に触って「しゃっこい!」というようなイメージ。
青春っぽく例えると、夏祭りに行くのに待ち合わせた彼女のほっぺにアイスをあてて「しゃっこい!」ってなるイメージです。
そういうのいいなあ。
北海道弁15.「サビオ」聞く頻度★★★★☆
こちら、生粋の道民だともはやこれが方言だと気づかない方が多いでしょう。
標準語だと「絆創膏」関西弁だと「バンドエード」とか「ばんそこ」です。
A「紙で指切った…」
B「大丈夫?サビオいる?」
こんな感じです。
当たり前のように「サビオ」という単語が出てきます。サビオ=絆創膏。これはスタンダードだと思っていた方が良いでしょう。
あえて突っ込まないのが移住民の嗜みです。
北海道弁16.「わや」聞く頻度★★★★★
非常によく聞くので、もはや方言だという事を忘れ去っていました。
標準語だと「すご!」とか「やば!」とか。関西弁だと「めちゃくちゃやん」とか「やべ!」とかです。
A「さっき札駅で松岡修造みた!」
B「わや!」
A「わや!醤油こぼした!」
B「わやだ!」
こんな感じです。
なんか「やべえ!」とか「すげえ!」とかそんな感じでとっさに口からでる言葉が「わや」です。
これはマスターしておいた方が良いかもしれません。
北海道弁17.「いずい」聞く頻度★★★☆☆
それほど有名ではない言葉ですが、たまーーに聞く言葉、「いずい」。
標準語だと「しっくりこない」とか「むずがゆい」。関西弁だと「しっくりこーへん」とか「なんかきもい」とかです。
A「なんかこの靴いずいわー」
B「新しく買ったん?」
こんな感じです。
しっくりこないとか、フィットしないとか、そういったニュアンスの言葉。東北でも使われるようですので、どちらかというと南の方の浜言葉よりの言葉です。
北海道弁18.「~っしょ」「~だべ」聞く頻度★★★★★
これはもはや日常的にほぼ全員が使っている、言葉というよりも口調。
A「これは標準語っしょ」
B「いや、北海道弁だべ」
こんな感じで使われます。老若男女、当たり前のように語尾についてくる言葉です。
もはやスタンダード。これは訛っているとか訛っていないとかではなく、道民の当然のカルチャーです。(#それを訛ってると言う)
普段はあまり聞かない、応用の北海道5選
次に、あまり聞いたことのない北海道の方言を抜き出しました。
- もちょこい
- じょっぴんかる
- おっちゃんこ
- ぼける
- こわい
わかりますか…?
もちょこい
標準語では「こそばゆい」関西弁で「こしょばい」です。
A「ほれほれほれ(こそばす)」
B「もちょこい!やめれ!」
こんな感じです。
こんな感じなのか?
正直使っているところは見た事がないというか、人がこしょばがっているところを見る機会が、私の日常生活では殆どありません。
じょっぴんかる
標準語では「鍵をかける」関西弁でも「鍵をかける」です
A「じょっぴんかった?」
B「あーわすれてた!」
こんな感じです。
こんな感じなのですが、札幌に住んでいて一度も聞いたことがありません。職場の鍵とか、家の鍵とか何だかんだ確認する機会はあるのに聞いたことが無いので、現代の札幌ではほぼ使われないと言っても過言ではないはず。(使ってる人ごめんなさい)
おっちゃんこ
標準語で「すわる」関西弁でも「すわる」です。
A「きゃっきゃっ(走り回る)」
B「ちゃんとおっちゃんこしなさい!」
おそらく子供に対して使うような言葉だと思いますので、もしかすると子供が身近にいればよく耳にするのかもしれません。
札幌にきてから、生では一度も聞いた事のない言葉です。
ぼける
標準語では「微妙に悪くなる」関西弁では「なんか微妙」
A「このバナナぼけてんな」
B「そのくらいがうまいべ」
こんな感じで、食べ物が旬を過ぎて微妙に味が変化してしまったような状況を指します。
賞味期限が切れたり腐るまではいかず、「ちょっと違うな」くらいのニュアンスです。
でも、正直札幌に住んでいて聞いたことがありません。
こわい
標準語では「つらい」関西弁では「しんど」です。
A「こわいわー」
B「今日なまら歩いたかんね」
疲れたときに、「こわい」という言葉を使います。何度かだけ聞いたことはあるのですが、そんなに日常的に聞くか…?と微妙な言葉でしたので、賛否ありそうですが「ほぼ聞かない方言」にいれました。(普通に使ってる人ごめんなさい)
北海道弁についての道民の皆さんのコメント
たくさんのリプライ頂きましたので、記事本文を修正という形で反映させて頂いた分もありますが、いくつか抜粋してご紹介させて頂きます。
私もおささる、くらいしか使いません笑
小さい時はぼっこ、なまらって使ってましたよ!
あと、幼少期らおっちゃんこしなさいって
よく言われました????♀️まさに、記事通りです????⭐️
— Piano*lovers (@pianolovers8888) April 7, 2020
お墨付きを頂きました。おっちゃんこってかわいいですね。
“なんぼ”も使いますね。
これいくら(値段)だ?
これなんぼだべ?— Pochi (@pochi_oh) April 7, 2020
関西でも「おばちゃんこれなんぼ?」と使用するので、「なんぼ」が北海道でもスタンダードだったとは思いませんでした。
道東出身で20年以上札幌ですが
「おささる」くらいしか使わないかも…←とても便利な言葉です(^^;)
子供の頃使ってたのがあるかな〜
ばくりっこやぼっこ……
「なまら 」はヤンキーが使ってたイメージ(^◇^;)— かりん°ʚ(*´˘`*)ɞ°❥ ❥ (@karinOxO) April 7, 2020
やはり「なまら」はヤンキー言葉。注意した方が良いかもしれません。(私の周りの人、ふとしたときに「なまら」が出るんですが、もしかして全員怒らせない方が良いタイプなのか…?)
北海道弁の解説でした
冷静に考えた結果、特によく耳にする言葉は下記の通り。
- あずましくない
- おささる
- なげる
- わや
- っしょ
- だべ
これが札幌に移住してきた僕のリアルな感想です。
あなたはいくつわかりましたか?
ではまた。