どうも、たくろーです。
札幌に移住して3年ほどが経ちましたので、そろそろ北海道の方言にも慣れてきました。
今回は北海道と青森津軽地方で使われる方言の「おささる(動詞+さる)」の意味や用例、別表現などを解説していきます。
北海道弁の「おささる」とは?
「おささる」とは北海道全域で使われる方言で、文法的に説明すると「動詞+さる」という構成になっている言葉。今回は代表的な言葉として「おささる(押す+さる)」を例に挙げていますが、他の動詞(書く、触る、など)でも使われます。
ちなみに「おささる」の場合は、要するに「不可抗力で押すことになってしまった」という意味で用いられる表現。
「おささる」などの「動詞+さる」表現は、意図せずやってしまったことに対して「そういうつもりではなかった」と弁明するニュアンスが多分に含まれる言葉になります。
「おささる」の用法
おささる(動詞+さる)は、基本的には過去形で使われることが多い言葉です。
例えばエレベータに乗ったとき、本来5Fのボタンを押したかったのに「4F」を押してしまった場合などに「おささった!」と使います。
その後、例えば「いやいやまたそんなことして〜」と言いながら友達も別の階のボタンを押してしまった場合などに「ほら、おささるっしょ?」と現在形の「おささる」を使うこともあります。
「おささる」の語源
「動詞+さる」は、元々は青森県の津軽地方で使われていた方言だと言われています。
基本的には全く同じ用法で使われていますので、青森から北海道に流れてきてそのまま使われるようになった方言だと考えられます。
「おささる(動詞+さる)」を用いた例文
なまらは形容詞や形容動詞、動詞の前につけることで強調できる方言。ここではその例文をいくつかご紹介しておきます。
「押す」+「さる」で「おささる」
今回の代表例に挙げている「おささる」は、「押す」の「〜さる」表現です。「押すつもりはなかったけど、意図せず押してしまった」といった時に用いましょう。
※ファミレスで、別に店員を呼ぶつもりじゃなかったのに呼び出しボタンを押してしまったとき
「やべ、おささった!」
「書く」+「さる」で「かかさる」
「書く」の「〜さる」表現は、「書くつもりはなかったけど、意図せず書いてしまった」と伝えたいときに使いましょう。
※ボールペンを持ったまま喋っていて、気づいたらノートに変な線を書いてしまっていたとき
「かかさっちゃった!」
「触る」+「さる」で「さわらさる」
「触る」の「さる」表現は、「触るつもりはなかったけど、意図せず触ってしまった」と伝えたいときに使いましょう。
※スマホを持っていたら、意図せず触ってアプリが起動していた
「さわらさってた!」
「おささる」の応用表現
ここからは「おささる」を例に挙げて「動詞+さる」の応用表現をご紹介します。みなさんこんな感じでも使ってますよ。
おささらない
意思を持って何かをしようとした時に「なぜかできない」といった場面では「動詞+さらない」を使う場合があります。
例えば「おささらない」「おささんない」といった表現だと「なぜか押せない」という意味になります。これも覚えておきましょう。
いや、おささるべ
「なぜかできない(動詞+さらない)」と言っている人に対して反論するときに「動詞+さる」と表現することがあります。
例えば「このボタン全然おささんない」と言っている人がいて、ボタンを押してみたら一発で鳴ったときに「いや、おささるべ」と伝えたりします。
まとめ
「おささる」は、意図しない動作をしてしまったときに使える便利な言葉です。
おそらく普通に弁明するよりもちょっと笑いに繋がりやすくなる素敵な表現ですので、チャンスがあればぜひ使ってみて下さい。