「さっぽろの時計台、実際見るとがっかりした…」

こんな声、良く聞きます。そんな声を聞くたびに、「いや、そんなことはない」とか、「けっこう歴史があって」とか言ってましたが、そろそろ諦めようかなと思いました。札幌の時計台は、観光しようと思ったら正直がっかりスポットです。

でも…中身が歴史的に貴重なことには違いありません。あと、冬場の写真はけっこう良いです。そんな札幌時計台の正しい楽しみ方をご案内したいと思います。

札幌の時計台って、正直がっかり。

札幌の時計台って、正直がっかり。

そもそも札幌市の時計台は、明治時代の北海道開拓期に旧北海道大学の演舞場として建てられた建造物。歴史に名を残した開拓使たちが、心身を磨いた由緒ある建物なのです。

すごい。すごいのですが、旅行に来た人が観光して「わーすごい!」となるのか?と言うと、「否」と言わざるを得ません。

札幌は大好きですし、時計台には何度も写真を撮りにいきました。でも認めましょう。「時計台は、がっかりします。」

思ったより小さいし、まわりのビルが邪魔だから。

思ったより小さいし、まわりのビルが邪魔。

どうしたって周りのビルも写っちゃう

何ががっかりって、まず思ったより小さいです。そのうえ周りにはごく普通の近代的なビルが立ち並んでいるので、普通に写真を撮ったところで何もおもしろくありません。

庭だって広いわけじゃないし、赤れんが庁舎のように華やかな花畑ができているわけでもありません。そりゃがっかりって言われます。

でもちょっと考えてみましょう。周りのビルが見えなければ良いのでは?

でも冬の夜に撮ると、けっこうカッコいい

周りのビルが見えないように撮ると、けっこうカッコいい

「周りのビルがなければ、建物自体は結構良いはず。」そう思って冬の雪の降る夜に撮ってみると、これはなかなか良いではないですか。僕の中での「冬の札幌のおすすめ撮影スポット」にランクインです。

まわりにビルが立ち並んでいるのは、決して時計台のせいじゃありません。なのに「がっかり」で済ませるのはあんまりではないでしょうか。

ぜひこんな風に、夜の札幌を見て周るついでに撮ってみてください。

もうがっかりなんて言わせない!時計台の3つの撮影ポイント

そんな時計台の撮影ポイントは、主に3つあります。

  1. 時計台撮影テラス
  2. 市役所の時計台撮影スポット
  3. 敷地内のお立ち台

各ポイントからどのような写真が撮れるのか解説していきます。がっかり感なんてふきとばしていきましょう。

1.時計台撮影テラス

時計台の撮影スポット

時計台から道路を挟んだ正面のれんが造りのビルに、「時計台撮影テラス」という無料の撮影スポットがあります。この階段を上がった場所から撮ると、こんな写真になります。

時計台テラスからとった時計台

ある程度の望遠レンズが無いと難しいですが、こんな風に正面から撮影できるのが「時計台撮影テラス」です。

2.市役所の時計台撮影スポット

2.市役所の時計台撮影スポット

実は時計台横の札幌市役所にも撮影スポットがあります。これも道路を挟んで向かい側なのですが、メインの通りではない方向のマイナースポット。しかし、このような看板までついている撮影ポイントです。ここから撮ったのが、さきほどの写真。

ここも望遠が必要ですが、時計台を素敵に撮影できます。

3.敷地内のお立ち台

3.敷地内のお立ち台

時計台の敷地内に「ここで写真撮ってね」といわんばかりのお立ち台があります。昼間に撮るとどうしてもビルが写ってしまいますが、夜ならOK。なかなかカッコよく撮れます。ぜひ試してみて下さい。

札幌市時計台のその他の特徴と楽しみ方

札幌市時計台の特徴と楽しみ方

それでは札幌市時計台の特徴、楽しみ方をお伝えします。

  • じつは手巻き式時計
  • ここで新渡戸稲造が演舞していた
  • 展示資料が興味深い
  • クラーク博士と2ショット撮影できる

じつは手巻き式時計

札幌市時計台は手巻き式だった

時計台の建物自体が、いまとなっては「日本に4つしかない機械式時計台」という超貴重な特性を持ちます。現存する4つは以下。

  • 札幌市時計台
  • 高知県安芸市野良時計
  • 山形県郷土館(旧庁舎)
  • 立教大学モリス館

機械式時計といえば、いわゆるロレックスとかオメガとか、高級時計が採用しているやつです。電池じゃなくてネジを巻いて動くタイプですね。札幌の時計台の「時計」の部分、なんといまだに手巻き式で動いています

札幌市時計台

時計台の中には、この機械式時計台のギミックを説明している模型があります。(本物はさすがに見れませんが。)

機械式時計台のギミック

これは貴重です。時計の交換パーツの展示もあり、時計台の作成された方法や成り立ちなども説明してあります。資料館としての価値も高い上に、建物自体がそもそも貴重な建物であると、時計台はそんな建物です。

ともすれば立ち入り禁止で厳重保存されてもおかしくないような状態の建物。そんな建物の中を、たったの200円で見学できます。

興味なければただの「がっかりスポット」ですが、すごいことに変わりありません。

ここで新渡戸稲造が演武していた

札幌市時計台は演舞場だった

今となっては建物自体も貴重な時計台ですが、役割もとても重要なものだった時計台。

北海道開拓の有名人といえばクラーク博士。そのクラーク博士は札幌農学校(現:北海道大学)の教頭先生を務めたのですが、後継者として次の教頭になったのがホイラーという人物。そのホイラーが「演武場」として建てたのがこの札幌市時計台です。

上の写真を良く見て頂くと、看板に「場舞演」って書いてありますよね。札幌農学校で学ぶ開拓使のエリート達が心身を鍛える為の演舞場。

札幌農学校の卒業生では、お札の顔にもなった「新渡戸稲造」さん等が有名です。彼もここで訓練したんだと考えると、なんだかエモいですね。

展示資料が興味深い

札幌市時計台は明治にタイムリープできる

時計台の1Fでは、とても詳細で貴重な資料も見られます。札幌好きには、なかなか興味深い空間だと思います。

札幌市時計台の資料

北海道にクラーク博士がきた背景、何をしたのか、教え子は誰なのか、などの北海道の開拓史が網羅的に展示されてあります。とても貴重な資料です。

札幌市時計台の資料

調印書とかなんかすごいワクワクしますね。

札幌市時計台の資料

昔の時計台も見れます。すごい。演舞場(時計台)の作られた背景や、塗り替えが何回行われたか、など時計台に関する事までとても詳細に展示されてありました。

クラーク博士と2ショット撮影できる

札幌市時計台はクラーク博士をいじっていた

上の写真の像は有名ですよね。羊ヶ丘展望台のクラーク博士は、このように立ってポーズを決めているのですが、時計台のクラーク博士は一味違います。

時計台の中のクラーク像

時計台のクラーク博士はめちゃくちゃリラックスモードです。隣に座って一緒に記念撮影ができます。肩に手回してきます。札幌をあげてクラーク博士を軽くいじっているという最高のスポットと言えるでしょう。

この銅像がある部屋は、元々体育の授業などで演武場の広間として使っていた場所。そこにクラークが教鞭をふるっていた農学校の教室を再現して開放してあります。

札幌市時計台の講堂

とても良い雰囲気ですが、けっこう暗いので写真を撮るときはブレないように気を付けて下さい。

札幌の時計台はがっかりだけど、夜の写真は良い

札幌の時計台は、残念ながら本気で観光しようとするとがっかりすると思います。でも、夜に写真を撮るならきっと良い感じになるはず。

札幌の夜の街に繰り出す際は、ぜひ時計台のことも思い出してあげてください。ちなみに、入場料たったの200円です。

では、素敵な北海道ライフを。

名称 札幌市時計台
住所 札幌市中央区北1条西2丁目
営業時間 8時45分~17時00分
休館日 1/1~1/3
入場料 大人200円
高校生以下無料
駐車場 なし
問い合わせ 011-231-0838