どうも、たくろーです。
今回は「句読点の100%正しい使い方はないけど、おかしい使い方は一目でわかるよ」というテーマでお話していきますね。
僕は企業メディアで編集長として働いているのですが、句読点の使い方はライターさんによってかなり個性が出ます。
なので「絶対にこれが正解!」という使い方のルールは無いものの……とはいえあきらかに読みにくい文章はあります。
「ぼくは、今日、仕事で、とても、つかれた」なんて書いたら、「コイツまじで疲れてんな……」って思われますからね。
というわけで今回は「文章を読みやすくする句読点の使い方」を10のルールとしてまとめました。
あらためて見直してみて下さいね。
そもそも句読点(くとうてん)とは?
句読点とは、文章を句切るための符号のこと。読みやすくするため、あるいは意味が通りやすくするために使われます。
- 句点「。」=文章の終わりに使う
- 読点「、」=文章の区切りに使う
句点(くてん)とは、文章の終わりに使う「。」のこと
句点とは「。」のことです。
一文の最後に付けるもので、特殊なケース以外では使い方を間違えることはないでしょう。
カッコ「()[]」や感嘆符「!?」が絡んできたときに、打つか否かに悩むことがあります。今回の記事では特殊なケースにだけ触れることになります。
読点(とうてん)とは、文章の区切りに使う「、」のこと
読点とは、「、」のことです。
一文のなかで、文章を読みやすくするために打たれるもの。人により使い方が違い、しばしば物議をかもす種になります。
今回の記事で主に言及するのは「読点」。あきらかに使い方がおかしい文例を取り上げ、添削したうえで、読みやすい文章を書くための使い方としてまとめていきます。
明確なルールはないが「打つとしたらここ」という共通認識はある
平成27年に東北大学でおこなわれた『日本語文理解における読点の役割についての認知心理学的研究』で、句読点の使い方についてのおもしろい研究結果が発表されています。
この研究は、「読点が”読みやすさ”に与える影響」を考察したもの。
日本人大学生に向けて「句読点を抜いた文章に、必要と思うだけ”読点”を足してもらう」という実験を行っています。
実験結果として「”読点をつける数”には個人差があるものの、”読点を打つ場所”には大きな違いがなかった」という結論に。
文章中の各位置に「読点を打つか打たないか」については個人間に相当なばらつきがあるものの,「読点を(打つとしたら)どこに打つか」については,書き手間である程度共通する規則が存在するのではないかと推察される。
つまり明確なルールが無い中でも「読みやすいと感じる読点の付け方はある」ということがわかります。
今回お話しするのも同様。「正しい」というよりも「読みやすい」句読点の使い方を解説していきます。
句読点の使い方がおかしい文例と、添削例
ここでは「句読点の使い方があきらかにおかしい」と言える文例を用意しました。
すべてに共通しているのが、「意味がわかりにくい or 読みにくい」ということ。とにかく「読みやすさ」を心がければ、句読点のおかしい使い方は避けられるはずです。
読点が多すぎて読みにくい文例
僕は、今日も、ひたすらに、ブログを、書いています。
上記が、「読点が多すぎる文章」の例です。
当然ですが、読点を減らしたほうが読みやすくなります。
僕は今日も、ひたすらにブログを書いています。
このくらいの方が、シンプルに読みやすいですね。
読点がなくて、意味が二通り以上に取れてしまう文例
ここではきものを脱ぎなさい。
上記の一文は、読点の例題に使われる有名な文例です。
例文のように読点をつかわなければ「履き物」なのか「着物」なのか、どっちを脱げって言われてるのかわかりませんよね?
ここでは、きものを脱ぎなさい。
ここで、はきものを脱ぎなさい。
漢字で書けば解決しますが、このようなケースもあるということで。
読点が多くて、意味が二通り以上に取れてしまう文例
僕はいつも、ザンギを食べながら、ダイエットできる方法を探している。
”ザンギを食べながらダイエットできる方法”を探している。
”ザンギを食べながら”ダイエットできる方法を探している。
読点が多いと、どちらとも取れてしまいます。どちらもロクでもないですね。
僕はいつも、ザンギを食べながらダイエットできる方法を探している。
僕はいつもザンギを食べながら、ダイエットできる方法を探している。
上記のように適切な位置に読点を打つことで、意味が限定されてわかりやすくなります。
文章をぐっと読みやすくする、句読点の使い方10のルール
「真に正しい句読点の使い方」はなくとも、「あきらかにおかしい使い方」があることはわかりましたよね。
さきほどの「句読点の使い方がおかしい文例」からポイントを抜き出し、読みやすい文章を書くための句読点の使い方を10のルールに整理しました。
- 一文に使う読点「、」は最大で2個まで
- 長い主語のあとに読点「、」を打つ
- 接続詞・感動詞・副詞のあとに読点「、」を打つ
- 重文や複文の区切りに読点「、」を打つ
- 並列関係の言葉を分けるときに読点「、」を打つ
- 係り受けの関係がわかりづらいときに読点「、」を打つ
- ひらがな、漢字が続くときに読点「、」を打つ
- 「」の前後には読点「、」を打たない
- 会話文の「」の中には句点「。」を打たない
- 文末の()前後の句点「。」はケースバイケース
1. 一文に使う読点「、」は最大で2個まで
まず、読みやすい文章は読点が2個までに抑えられています。これはどんな文章をみても当てはまるはず。
加えてそもそもの話ですが、「文字数が50文字くらいまでに抑えられている文章」が読みやすいとされています。
夢中で書いていると、プロのライターでも長~~~い文章を作ってしまうことが多く、書くうえでもっとも注意しておきたいポイント。
一文を50文字以内で書くよう心がけると、自然と句読点の数もおさえられ、読みやすい文章になるはずです。
上記の文章には「読点」をちょうど2個つかっていて、句読点をいれて50文字に収まっています。
このくらいの長さと読点のバランスだと、確かに読みやすいですよね。
2. 長い主語のあとに読点「、」を打つ
主語がビローーーンと長くなってしまうときには、主語のあとに「、」を打つと読みやすくなります。
主語の長い文とは、例えば下記のようなテキスト。
毎日かかさずブログを書いている僕も今日だけは休もうと思う。
意味は通じますが、少々読みにくいですよね。これに読点をいれると、ずいぶん読みやすくなります。
毎日かかさずブログを書いている僕も、今日だけは休もうと思う。
装飾が多くて主語が長くなった場合は、上記のように読点をいれておくと親切ですね。
※主語が短い場合の句読点の使い方の注意点
主語が短いときに読点を打っても間違いではありませんが、少々こどもっぽい文章になってしまうことも。
僕は、お昼にサンマを食べました。
「ぼくは、おひるにサンマをたべたよ!」
って言ってる子供みたいな喋り方に聞こえるとおもいます
上記のような主語の短い文だと「、」は無い方が読みやすいですね。
しかし主語まわりの読点については、メディアの表記ルールや文脈、与えたい印象によっても変わります。
(1)僕はお昼にサンマを食べました。
(2)僕はお昼に、サンマを食べました。
(1)がノーマルな文章ですが、ニュースメディアなどでは(2)の位置に読点をいれるケースもあります。なんとなくスマートな印象になりますね。
一概に「これが正しい」とは言い切れませんが、そういうものだと知っておいて下さい。
3. 接続詞・感動詞・副詞のあとに読点「、」を打つ
- 接続詞…「また」「しかし」「あるいは」など
- 感動詞…「さあ」「ほら」「まあ」など
- 副詞(一部のもの)…「まるで」「もちろん」「そろそろ」など
主に文頭につかわれることが多いですが、上記の接続詞・感動詞・副詞(の一部)のあとに読点を使うと読みやすくなる場合があります。
でも「絶対打つべき」ってほどでもありませんので、ケースバイケースです。
さあ、ブログを書き始めよう!
まるで、芥川龍之介のようだ。
もちろん、今日も1日中書き続けるつもりだよ。
4. 重文や複文の区切りに読点「、」を打つ
- 単文…述語が1つだけの文
- 重文…単文が2つ、並列に繋がっている文
- 複文…2つ以上の述語が使われる文
ちょっとヤヤコシイですね。
たとえば「今日はブログを書く」という文章は、述語が1つだけ(書く)なので「単文」です。
(1)今日はブログを書き、画像を編集する。
(2)今日はブログを書いたので、明日は休む。
(1)の文は、単文が2つ繋がった「重文」。
(2)の場合は、一文の中に(書いた)と(休む)の2つの述語が含まれる「複文」です。
どちらにせよ、区切りの読点をいれると読みやすくなります。音読をするときにも自然と息継ぎをする箇所になりそうですね。
単文や複文の前後を区切るときには、読点をいれると読みやすくなるという例でした。
5. 並列関係の言葉を分けるときに読点「、」を打つ
今日も明日も明後日もブログを書き続けたい。
上記の文章だと、あまりに早口です。もう少し落ち着いて話した方が良いですね。
今日も、明日も、明後日もブログを書き続けたい。
読点をいれることで、随分おちついた雰囲気になりました。並列の言葉がいくつか続く場合は、読点を入れておきたいですね。
6. 修飾関係がわかりづらいときに読点「、」を打つ
僕と知り合いのAさんはブログを書き始めた。
上記の文章だと、2通りの意味に取れてしまいます。
- Aさんがブログを書き始めた
- 僕とAさんの2人ともがブログを書き始めた
(1)僕と、知り合いのAさんはブログを書き始めた。
(2)僕と知り合いのAさんは、ブログを書き始めた。
(1)の場合は、2人ともが書いています。
(2)だとAさんだけが書いてますね。
7. ひらがな、漢字が続くときに読点「、」を打つ
これからの時代重要になるのはwebマーケティングスキルだ
これからの時代ではますますwebマーケティングが重要になるだろう
読みにくいとはいえ、冷静に見れば「ああ、そういうことか」とわかる文章ではあります。
でも適切な位置に読点を打っておいた方が読みやすくなりますね。
これからの時代、重要になるのはwebマーケティングスキルだ
これからの時代では、ますますwebマーケティングが重要になるだろう
これだけで読みやすくなるなら、読点のひとつくらい打っておきましょう。
8. 「」の前後には読点「、」を打たない
僕が思ったのは、「ブログって最高じゃない?」ということだ。
君は「ブログ書くのしんどい」、というけれど。
絶対に間違いというわけではありませんが、カギカッコ「」の前後に読点は必要ありません。
一般的には付けないということで、覚えておきましょう。
僕が思ったのは「ブログって最高じゃない?」ということだ。
君は「ブログ書くのしんどい」というけれど。
スッキリしましたね。あえて使わない方が読みやすくなることもある、ということです。
9. 会話文の「」の中には句点「。」を打たない
「僕はブログを書くべきだと思う。」と言ったところ、多くの賛同を得た。
会話文のカギカッコの中は、文末の句点「。」は必要ありません。
文章のバランスを見ても、ちょっと蛇足な感じがしますよね。
「僕はブログを書くべきだと思う」と言ったところ、多くの賛同を得た。
ただの「。」の有無ではありますが、音読したときもスムーズに読めると思います。
10. 文末の()前後の句点「。」の位置は文脈によって変える
(1)ブログの費用対効果はバツグンだ(ただし本気でやれば)。
(2)ブログの費用対効果はバツグンだ。(北海道ログより引用)
文末の()前後の句点の位置は、()の内容によって変わります。
上記文章の(1)の場合は、注釈のカッコです。カッコ内の内容を含んだうえで一つの文章になっていますので、カッコのあとに句点を打ちましょう。
(2)は引用や著者情報などを書く場合のカッコ書き。この場合は文章とは独立していますので、句点のあとにカッコをさした方がわかりやすいですね。
句読点の使い方の参考資料・書籍
一応、あらためて句読点の使い方に関する参考資料をご紹介しておきます。
句読点の使い方に関する研究論文
『日本語文理解における読点の役割についての認知心理学的研究』
両方ともPDFで開きます。特に上の『日本語文理解における読点の役割についての認知心理学的研究』は、「読点による文章の読みやすさ」を定量的にはかった興味深い研究です。
文化庁の句読点の使い方に関するテキスト
あまり現代では参考になりませんが、文化庁発行の公式テキストもあります。ここでは横書きの句読点に「,」「.」を使うというルールが定められているというカルチャーショック。
官公庁の公式の文書では「,」「.」を使ってるところもあるようですね。
句読点の使い方が解説してある書籍
上記2冊は、web上で文章を書くなら目を通しておいて損のない書籍です。句読点だけにフィーチャーした内容ではありませんが「読みやすい文章」を書くなら必見。
あわせてご覧下さい。
句読点の使い方まとめ
句読点の使い方ひとつで、文章の読みやすさがぐっと変わります。
読みやすい句読点の使い方を身に付けて、スムーズに書けるようになりたいですね。
また、文章の練習には「ブログ」がピッタリです。下記の記事では「職務経歴書に書けるレベルのブログの作り方」も解説していますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
https://kojin.blog/blog-make/
その他、文章力に関する下記の記事もチェックしてみて下さいね。