どうも、たくろーです。
「ら抜き言葉って、どうやって見分ければいい? ” 眠れる ” ってどっち?」
「ら抜き言葉、ビジネスで使うのは良くないのかな……」
と困っているあなたへ、ら抜き言葉の基礎知識をわかりやすくお伝えしていきますね。
(ちなみに「眠れる」は、ら抜き言葉ではありません。)
そもそも「ら抜き言葉」の良し悪しは人によって評価が分かれるところですが、少なくとも文化庁では「改まった場での ” ら抜き言葉 ” の使用は現時点では認知しかねるとすべき」としています。(参考:文化庁『言葉遣いに関すること』)
というわけで「ら抜き言葉」の見分け方は知っておいた方が良いですし、ビジネスの場では正しい言葉を使っておいた方が無難ですね。
僕は文章のプロとしてwebライターの仕事をしていますが、原稿作成においても正しい表記にこだわるなら「ら抜き言葉」は避けるべきだと思っています。
せっかくの機会ですので、この記事を読んで「ら抜き言葉」の見分け方や基礎知識をおさらいしていただき、正しい表現を使えるようになっておきましょう。
ビジネスや原稿作成に使える。ら抜き言葉一覧表
ら抜き言葉一覧表
ら抜き言葉 | 正しい言葉 |
食べれる | 食べられる |
見れる | 見られる |
来れる | 来られる |
着れる | 着られる |
起きれる | 起きられる |
決めれる | 決められる |
寝れる | 寝られる |
借りれる | 借りられる |
投げれる | 投げられる |
止めれる | 止められる |
辞める | 辞められる |
まずは「ら抜き言葉」として良く使われがちな言葉を一覧表にしました。
とりあえず上の表にある言葉は全て「ら抜き言葉」ですので、原稿やビジネスメールの作成時のチェックに利用して下さいね。
【例文あり】ら抜き言葉の超簡単な見分け方
次に、めちゃくちゃ簡単な「ら抜き言葉」の見分け方をご紹介します。
五段活用だとか、上一段活用だとか、そんな難しいことはとりあえず覚えなくて大丈夫。
迷ったら、その言葉を「勧誘表現」の形にするときに「〜よう」と続いたら「ら抜き言葉」だと見分ければOK。
その言葉で友達を誘うとき、なんて言うっけ?と考えればOKですね。
「〜よう」と続けられる言葉は、ら抜き言葉でOK
その言葉を勧誘表現にしたときに「〜よう」と続くなら、それは「ら抜き言葉」です。
例えば「着れる」という言葉を勧誘表現にすると「着よう」になりますよね。
これは「〜よう」と続いているので「ら抜き言葉」だと見分けられるというわけです。正しく表記したい場合は「着られる」と書きましょう。
では問題です。「食べれる」は、ら抜き言葉でしょうか?
わからない……と思ったら、焦らず「その言葉で友達を誘うときはなんて言う?」と考えてみて下さい。
そう。「食べよう」になりますので、これは「ら抜き言葉」だと見分けられます。「食べられる」が正しい表記ですね。
動詞のうち、上一段活用、下一段活用、カ行変格活用ができるものが「〜よう」と続く言葉です。つまり「ら抜き言葉」になる言葉たちですね。
- 上一段活用…母音が「い」の言葉だけで活用する言葉(起きる・生きる等)
- 下一段活用…母音が「え」の言葉だけで活用する言葉(着れる・食べる等)
- カ行変格活用…「来る」のみに用意されたオンリーワンの活用法
ちなみに「〜ろう」と続けられる言葉は、ら抜き言葉じゃない
補足ですが、その言葉を勧誘の形にしたときに「〜ろう」と続くなら、それは「ら抜き言葉の偽物」です!
「ら抜き言葉」の皮を被った間違いやすい言葉ですので、注意しましょう。
例えば「送れる」という言葉を勧誘の形にすると「送ろう」になりますよね。
「〜ろう」と続くなら、それは「ら抜き言葉」ではありませんので「送られる」と表記するのは間違いです。
ら抜き言葉って、ビジネスで使っちゃダメ?
「ら抜き言葉」のビジネス上の取扱いについては、職場によっても人によっても感じ方が様々です。
しかし「ら抜き言葉」を間違いだと感じる人は必ずいますし、文化庁では「改まった場では正しい言葉を使おう」というスタンスを貫いています。
ビジネスの場(=改まった場)では「ら抜き言葉」はできるだけ避けた方が良いでしょう。
「別にいいじゃん」と思う人も多いと思いますが、ビジネスなら会社の看板を背負っているわけですし、正しい言葉遣いをしておくに越したことはありません。
とはいえ、敬語を使うとそもそも「ら抜き言葉」に遭遇しない
しかし根本的な話として、ビジネス上のやり取りで「ら抜き言葉」に遭遇した時点で「その言葉遣い、大丈夫?」と疑った方が良いかもしれません。
例えば、取引先に「来れますか?」なんて聞きませんよね。ビジネスの相手には「いらっしゃいますか?」と伝えるはずです。
あるいはメールに資料を添付したときも「見れますか?」なんて聞きません。「ご覧いただけましたか?」と聞きますよね。
こんな風に、ビジネスにおいては「” ら抜き言葉 ”を使うかどうか悩む場面になった時点でそもそもおかしい」と思っておいた方が良いかもしれません。
それでも遭遇したら、正しい言葉に直して使っておきましょう。
そもそも「ら抜き言葉」とは?
最後になりましたが、そもそも「ら抜き言葉」は「誤り」とされる言葉です。
でも「可能表現なのか尊敬表現なのかわかりにくい」ということから生まれたとも言われていて、ただただ間違っていると切り捨てるような言葉でもないんですよね。
例えば「食べられる」という言葉が、「僕はピーマンを食べられる」という可能表現なのか、「お客様が料理を食べられる」という尊敬表現なのかわかりにくいと。
どちらにせよ正しい知識を持っておいて、直した方が良い場面では正しい表現を使えるようにしておくと良いですね。
ら抜き言葉は、いつから使われてる?
ちなみに「ら抜き言葉」は、昭和の初期から使われていると言われています。
いわゆる「ら抜き言葉」とは可能の意味の「見られる」「来られる」等を「見れる」「来れる」のように言う言い方のことで,話し言葉の世界では昭和初期から現れ,戦後更に増加したものである。
文化庁『言葉遣いに関すること』より引用
そう考えると、生まれてからまだ100年ほどしか経っていない比較的新しい言葉と言えますね。
そのうち世のスタンダードになる日が来るのかもしれません。
「ら抜き言葉」と「方言」の関係は?
文化庁では「ら抜き言葉」を誤りとする一方で、方言との関わりとしては「今後の動向を見守る必要がある」というスタンスを保っています。
北陸から中部にかけての地域及び北海道など,従来「ら抜き言葉」を多く使う地域があるといった地域差の問題を考慮する必要があること。また,近年は東京語自体も様々な地域の言葉の流入によって変化しており,「ら抜き言葉」の方がリズムやスピード感があってよいとする声もあること。
文化庁『言葉遣いに関すること』より引用
そのうち、公的文書でも「ら抜き言葉」が使われる日が来るのかもしれませんね。
「ら抜き言葉」を正しく見分けて、公の場では避けておこう
ら抜き言葉を見分けるのは簡単です。
勧誘表現にしたときに「〜よう」と続く言葉だったら「ら抜き言葉」ですね。
確実に見分けて、公の場所では正しい表現を使えるようになっておきましょう。