どうも、たくろーです。

「体言止めってなに?あらためて考えるとわからなくなった……」

「体言止めっていつ使えばいいの?ていうか、使ったらどうなるの?」

とお悩みのあなたへ、現役プロライターの僕が体言止めの効果的な使い方を解説します。

「体言止め」とは、文章を「名詞」や「代名詞」で止めて終わらせるテクニックのこと。

↑上の文章も「こと。」という名詞(形容名詞)で終わってますので、体言止めが使われてますね。こんな感じで使う文章テクニックです。

例えば「です。ます。です。」と文末の言葉が続くと子供っぽい文章になってしまうのですが、体言止めを混ぜることで大人びた印象を与えられたり、読者の注意を惹けたりと良いことづくめ。

とはいえやみくもに取り入れても「ただのカタコトの文章」になってしまいますので、効果的に取り入れる方法を知っておきましょう。

この記事を読んで「体言止め」を効果的に使うテクニックを身に付けていって下さい。

「体言止め」とは、名詞や代名詞で文章を終えるテクニック

「体言止め」とは、名詞や代名詞で止める文章テクニック

体言止めとは、文章の最後を「体言」で終えるテクニックのこと。「体言」には「名詞・代名詞」が含まれます。

体言ってなに?

体言は「名詞」と「代名詞」の総称。

名詞

  • 普通名詞:一般的な物やコトをあらわす言葉。(花、テーブル、コップ 等)
  • 固有名詞:固有の名前をあらわす言葉。(日本、ウルトラマン、ぐでたま 等)
  • 数詞:数や順番をあらわす言葉。(1つ、2回、3度 等)
  • 形容名詞:抽象的な物やコトをあらわす言葉。(こと、もの 等)

代名詞

  • 指示代名詞:文脈の中でわかる、コトや物を指し示す言葉(あれ、それ、これ 等)
  • 人称代名詞:文脈の中でわかる、特定の人を指し示す言葉(わたし、きみ、かれ、あなた 等)

これら「体言」が最後にくるように文章を構成するのが、体言止めというテクニックですね。

名詞で体言止めにした例文

名詞を使って体言止めの例文を作ると、以下のような文章になります。

  • 僕の部屋の自慢は、この大きなベッド。(普通名詞)
  • 僕が好きなテーマパークはディズニーランド。(固有名詞)
  • 真実はたった一つ。(数詞)
  • それは、君のこと。(形容名詞)

上の例文のなかで、例えば「普通名詞」の例文を通常の文章に戻すと「この大きなベッドが、僕の部屋の自慢です」になりますね。

このように言葉の順番を入れ替えることで、同じ意味を保ったまま文章の印象を変えることができます。

代名詞で体言止めにした例文

次に、代名詞をつかった体言止めの例文を見てみましょう。

  • 君の役割は、これ。(指示代名詞)
  • これを作ったのは、わたし。(人称代名詞)

代名詞をつかって体言止めの文章を作ると、少しぶっきらぼうで、アンニュイな印象になりますね。

たとえば指示代名詞の方の例文をもとの文章に戻すと「これが君の役割です」になりますが、ずいぶんと普通の印象です。

少し味を出すために、小説の会話文で使われたりしますね。

体言止めの効果的な使い方を、3つの具体例で解説

体言止めの効果的な使い方を、3つの具体例で解説

それでは、実際にどんなシチュエーションで体言止めを使うと効果的なのか見ていきましょう。

そもそも「体言止め」というテクニックがなぜ存在するのかというと、文章の印象を変えるためですね。

同じような表現が続くと、どうしても子供っぽくなったり、単調になってしまったりという弊害が出ます。そんなときに体言止めを取り入れて、文章のリズムを操れると効果的ですね。

そんな体言止めの効果的な使い方を、3つにわけてご紹介します。

文末表現を散らして、美しい文章にする

まず、もっとも効果的な使い方は「文末表現を散らす」ために取り入れるシチュエーションです。

まずは下記の文章をご覧下さい。

僕はブログが好きです。書いていて楽しいし、読まれる回数がどんどん増えて嬉しいからです。いまでは半年前の5倍くらい読まれるようになっています。これからもブログを続けていきたいと思います。

「です。です。ます。ます。」と文末が続いているのがわかりますか?あたかも小学生の読書感想文みたいな文章になってしまっていて、単調で子供っぽいですよね。

では、体言止めを駆使しながら文末表現を変えてみます。

僕はブログが好きです。書いていて楽しいし、読まれる回数がどんどん増えて嬉しいのがその理由。今では半年前の5倍くらい読まれるようになりました。これからもブログを続けていきたいと思います。

こんな感じで「体言止め」をつかいながら文章を工夫すると、少し印象が変わりますよね。そもそもの文章が読書感想文みたいだったのに、少し「読める文章」になりました

このように、文末表現を散らすために体言止めを取り入れるのは非常に効果的ですね。

読者を「ハッ」とさせて注意を惹きつける

体言止めを使うと、そこで文章がプツっと切れることで注意を惹き付けることができます。

例えば、

「お腹がペコペコになって家に帰ったとき、食卓には美味しそうなカレーが用意されていました」

という文章だと「なるほど、誰かがカレーを作ってくれてたんだな」わかって、なんとなく「温かい印象」を受けるかなと思います。

対して、

「お腹がペコペコになって家に帰ったとき、そこに置いてあったのは、美味しそうなカレー」

とされると「美味しそうなカレー」という言葉が強調されますよね。とにかく「お腹がすいた自分」と「美味しそうなカレー」がすごく印象的になります。

たくろー
たくろー
この効果を狙うなら、特に「普通名詞」とか「固有名詞」などのバシっと決まる言葉がぴったりですね

どちらが良いとか悪いというのではなく、体言止めを使うことで文章の与える印象を変えられるということ。

特定の言葉を強調して文章の印象をコントロールしたいときは「体言止め」を使っていきましょう。

余韻を持たせて大人びた印象を与える

体言止めを使うと、注意を惹き付けるだけでなく「余韻」を持たせることもできます。

例えば、

「僕はいつも、君のことを考えています」

という文章だと、まあ普通ですよね。ドキっとする文章ではありますが、普通の人が普通に話したような文章です。

それに対して、

「僕がいつも考えているのは、君のこと」

となると、普段口数の少ないクールな子がボソっと話したような、余韻を感じる文章になりませんか?

たくろー
たくろー
これはさっきの「強調する文章」とは違って、「形容名詞」とか「代名詞」とかのボヤっとした言葉を使うと良いですね。

こんな風に、ちょっとクールで余韻のある文章にしたいときも体言止めを使うと効果的です。

体言止めの使い方に関するQ&A

体言止めの使い方に関するQ&A

その他、体言止めに関する素朴な疑問とか上手な使い方を整理してまとめました。

あらためて考えるとなかなか深いテクニックですので、この機会に勉強してみて下さい。

体言止めの反対は、用言で終わる普通の文章

「体言止めの反対」となると、いわゆる「用言(述語)で終わる普通の文章」ですね。

用言ってなに?

用言は「動詞」と「形容詞」と「形容動詞」の総称。

  • 動詞:行動をあらわす言葉(捨てる、走る、書く 等)
  • 形容詞:性質や状態をあらわし「~い」で終わる言葉(白い、暖かい、寒い 等)
  • 形容動詞:性質や状態をあらわし「~だ」で終わる言葉(綺麗だ、安全だ、卑劣だ 等)

例えば「この花は白い」というような、用言で終わる文章が「体言止めの反対」と言えます。

たくろー
たくろー
 ちなみに「用言止め」なんて正式名称があるわけではありません。

体言止めは、ビジネスではあまり用いられない

ビジネスメールで体言止めを使うと、なんとなく偉そうな印象を与えることになりかねません。

「急にどうした?」って思われますので、基本的には避けましょう。

例えば、下記のようなビジネスメールがあったとします。

お世話になっております。

刺身にのせるたんぽぽの件でご相談があります。

100個単位の発注でご対応頂けるというお話でしたが、50個単位では難しいでしょうか?ぶしつけなお願いで恐縮ですが、ご一考いただけますと幸いです。

どうぞよろしくお願い致します。

これを体言止めを使って書き換えてみると、

お世話になっております。

今回ご相談したいのは、刺身にのせるたんぽぽの件。

100個単位の発注でご対応頂けるというお話でしたが、今回希望したいのは50個単位での発注。ぶしつけなお願いで恐縮ですが、ご一考いただけますと幸いです。

どうぞよろしくお願い致します。

ちょっと大げさにやりましたが、かなり無礼ですよね。

ビジネスメールでは文章の綺麗さというよりも「礼をもって正しく伝える」ことの方が大切ですので、体言止めを使うのは避けておきましょう。

「こと。」で終わる文章も体言止めでOK

「こと。」で終わっても体言止めと名乗っていいの?っていう疑問も結構多いところですが、もちろんOKです。

最初に説明したとおり「こと」は「形容名詞」で「体言」の一つですので、これを用いると体言止めになりますね。

効果的な使い方の項目でも伝えましたが、すこし余韻を残すような体言止め表現になるので、良きタイミングで使っていきましょう。

体言止めを効果的に使うと、印象的な文が書ける

体言止めを使うことで文末表現を散らしながら素敵な文章が書けたり、特定の単語を強調した印象的な文章が書けたりします。

文章とは、そもそも「読み手に行動してもらうこと」が目的です。

言葉遣い一つで読み手に与える印象も変わるので、体言止めも効果的に取り入れつつ、読み手が思わず行動したくなるような文章を書いていきましょう。

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